突然ですが、あなたはカフェインを摂取することで、筋トレのパフォーマンス効果が向上することはご存知でしょうか。
そうです、コーヒー、紅茶などに含まれるあのカフェインです。実はこのカフェインが筋トレのパフォーマンスを向上させるのは、迷信でもなんでもなくて科学的にしっかりと証明されています。
現在ではプロスポーツ選手もトレーニング始める時間を見計らってカフェインを摂取して、トレーニング効果を高めています。
メジャーリーガーのダルビッシュ投手がトレーニングに向かう道中でコーヒーを飲む様子。(動画内:3分9秒~)
そこで、本記事ではカフェインを摂ることによってトレーニングにどのようなメリットがあるのかや、摂取について解説していきたいと思います。
本記事を読めば以下のことが分かります。
・科学的に証明されているカフェイン
・カフェインを摂取するメリット3選
・適切な摂取量とそのタイミング
・カフェイン摂取にお勧めのドリンクやサプリメント
それでは上記について詳しく解説していきたいと思います。
科学的に証明されているカフェインの効果
冒頭でもお話ししましたが、カフェインが筋トレのパフォーマンスを向上させることは科学的に証明されています。
ここでは、論文の中でも最も信頼性の高いと言われる、メタアナリシスによって報告されている内容を紹介したいと思います。
紹介するメタアナリシスはこちらです。これは各サプリメントが筋トレに与える影響について調査したものです。
その中で各サプリメントが筋トレに効果があるかについてまとめられた表があります。
Caffeine (カフェイン) は表の右上に表示されています。
カフェインが置かれているカテゴリーは、Peformance enchancement (運動能力を高めるもの)の中で
Strong Evidence to Support Efficiancy and Apparently (効果が最も高い十分な証拠があり、かつ安全である)と分類されています。
カフェインは筋トレパフォーマンス向上において、効果が十分に認められていて、かつ、安全性の高いものである
引用元:ISSN excersise sports & nutritionw review(上の表は21ページ目にあります)
カフェインを摂取するメリット3選
カフェインを摂取することで得られるメリットは主に以下の3つと言われています。
・トレーニングパフォーマンスの向上
・疲労感が軽減し、持久力が向上する
・脂肪燃焼効果
※カフェインはその人の100%に近い能力を発揮させてくれるもので、100%⇒105%に限界突破してくれるものではありませんのでご注意下さい。
カフェインは本来その人が持っている能力を最大限発揮するのをサポートしてくれる役割があります
では、それぞれについて、紹介していきたいと思います。
トレーニングパフォーマンスの向上
カフェインの最も代表的な作用は自立神経のうち活動的な働きをする交感神経を伸ばすことです。
ヒトの身体は交感神経と副交感神経が交互に活性化されていますが、交感神経が優位になると、脳や身体がフル回転状態になり、集中力が高まったり、作業効率が上がると言われています。
そして、この状態がトレーニングの向上にもつながることがいくつかの文献で証明されています。
交感神経が優位になった結果、集中力が高まり、トレーニングパフォーマンスが向上する
疲労感が軽減し、持久力が向上する
また、カフェインは心臓の収縮力を高める強心作用があります。
血液中には筋肉の疲労を回復させるための酸素や栄養素なども含まれており、カフェイン摂取によって心臓の収縮力が高まると、より多くの血液が身体中に送られるため、疲労が軽減し、持久力が向上すると言われています。
心臓の収縮力を高め、血液や栄養素をより巡りやすくさせた結果、疲労感が軽減し、持久力が向上する
脂肪燃焼効果
最後はちょっとびっくりかもしれませんが、カフェインには脂肪燃焼効果があります。
私たちが筋力トレーニングで重いものを持ち上げたり、スポーツ中に走ったりするには、筋肉内に蓄えられた糖質(グリコーゲン)をエネルギー源とします。一方で、身体にある脂質は脂肪酸に分解された後にエネルギーとして体内で消費されます。
脂肪酸をエネルギーとして消費するにはリパーゼと呼ばれる消化酵素が必要なのですが、カフェインにはこのリパーゼの活性レベルを上げる働きがあると言われています。
脂肪酸をエネルギーとするための酵素を活性化させ、脂肪燃焼効果を高めてくれる
適切な摂取量やタイミングについて
結論から申しますと、筋力トレーニングの効果を高めてくれるカフェインの摂取量やタイミングは以下の通りです。
・1.5~6 mg/体重 kg
・筋力トレーニングを開始する30分から1時間前
下の表に各体重別の早見表を作成しましたので、是非ご活用下さい。
体重 (kg) | カフェイン量 (mg) |
40 | 60~200 mg |
45 | 67.5~200 mg |
50 | 75~200 mg |
55 | 82.5~200 mg |
60 | 90~200 mg |
65 | 97.5~200 mg |
70 | 105~200 mg |
75 | 112.5~200 mg |
80 | 120~200 mg |
85 | 127.5~200 mg |
90 | 135~200 mg |
95 | 142.5~200 mg |
100 | 150~200 mg |
105 | 157.5~200 mg |
110 | 165~200 mg |
115 | 172.5~200 mg |
120 | 180~200 mg |
上の表ではどの体重でも上限を200 mgに設定しています。
これは、世界保健機関(WHO)によると、カフェインの1回あたりの摂取量は200 mg/回、1日あたり400 mg/日までであれば、健康に悪影響を及ぼすことがないと報告されていることに基づきます。
体重1 kgあたり、9 mg以上のカフェイン摂取について
・これ以上摂取しても筋トレの効果は上がらない
・不眠症などの副作用が顕著になる
・スポーツ組織によっては尿中のカフェインレベルがドーピングのしきい値を超える可能性もある
カフェイン摂取にお勧めのドリンクやサプリメント
市販で手に入れることのできるコーヒーやエナジードリンクのカフェイン一覧表を作成しましたので、是非、ご活用下さい。
代表的な飲料中のカフェイン量
製品 | 内容量 (ml) | カフェイン量 (mg) |
コーヒー(エスプレッソ) | 50 | 140 |
コーヒー(ドリップ) | 150 | 135 |
コーヒー(インスタント) | 150 | 68 |
抹茶 | 150 | 45 |
紅茶 | 150 | 30 |
ほうじ茶 | 150 | 30 |
ウーロン茶 | 150 | 30 |
緑茶 | 150 | 30 |
ココア | 150 | 45 |
エナジードリンク中のカフェイン量
製品 | 内容量 (ml) | カフェイン量 (mg) |
モンスターエナジー | 355 | 144 |
ロックスター | 250 | 120 |
レッドブル | 250 | 80 |
バーン エナジードリンク | 250 | 80 |
リポビタンD | 100 | 50 |
デカビタC | 210 | 21 |
オロナミンC | 120 | 18 |
カフェイン量の引用元:日常生活におけるカフェイン摂取
サプリメント中のカフェイン量
製品 | カフェイン量 (mg) |
サプリメント | 200 |
コーヒーやエナジードリンクでお腹を下しやすい人にはサプリメントがおすすめです
まとめ
いかがでしたでしょうか^^
今回はカフェインの効果やお勧めの摂取タイミングとドリンクについて紹介しました。
本記事をまとめると以下の通りです。
カフェインはトレーニングパフォーマンスを上げることが認められており、人体にも安全な成分である。
カフェイン摂取によって得られる効果
・交感神経が優位になった結果、集中力が高まり、トレーニングパフォーマンスが向上する
・心臓の収縮力を高め、血液や栄養素をより巡りやすくさせた結果、疲労感が軽減し、持久力が向上する
・脂肪酸をエネルギーとするための酵素を活性化させ、脂肪燃焼効果を高めてくれる
推奨摂取量とタイミング
・1.5~6 mg/体重 kg
・筋力トレーニングを開始する30分から1時間前
・これ以上摂取しても筋トレの効果は上がらない
・不眠症などの副作用が顕著になる
・スポーツ組織によっては尿中のカフェインレベルがドーピングのしきい値を超える可能性もある
本記事がみなさんのトレーニングの一助となれば幸いです^^